損害賠償額は、後遺障害の等級によって、大きく左右されます。
後遺障害が残った場合、それに対する損害賠償請求をするためには、医師により後遺障害の診断書を書いてもらい、これをもとに損害保険料率算出機構という自賠責保険の機関で後遺障害の認定を受ける必要があります。そして、この後遺障害保険金の金額は「後遺障害別等級表」の等級に応じて決定されます。
ここで重要なのは、医師の「後遺障害診断書」によって何級に該当するのかが判断されるという点です。したがって、後遺障害(後遺症)の認定は、この診断書が重要な意味を持ってきます。
しかしながら、「後遺障害診断書」を作成するノウハウを持っている医師というのは実はそれほど多くありません。また、医師が患者の情報を重要視していなかったり、運動機能を正確に測定してなかったり、患者と医師の意思疎通が不十分であったりと実際の症状がきちんと診断書に記載されていないこともあります。
また、異なる等級の身体障害が2以上あるときは、重い方の身体障害を繰り上げて後遺障害等級が認定(併合認定)され、損害賠償額が上がる場合もあります。
したがって、きちんと評価されるべき点を診断書の中で評価してもらうためにも、早期に弁護士に相談し、医学上の証拠を残すことが必要です。
裁判所の慰謝料(平均) | 任意保険の慰謝料 | 自賠責保険の慰謝料 | |
---|---|---|---|
1級 | 2600~3000万円(2800) | 1300万円 | 1100万円 |
2級 | 2200~2600万円(2370) | 1120万円 | 958万円 |
3級 | 1800~2200万円(1990) | 950万円 | 829万円 |
4級 | 1500~1800万円(1670) | 800万円 | 712万円 |
5級 | 1300~1500万円(1400) | 700万円 | 599万円 |
6級 | 1100~1300万円(1180) | 600万円 | 498万円 |
7級 | 900~1100万円(1000) | 500万円 | 409万円 |
8級 | 750~870万円(830) | 400万円 | 324万円 |
9級 | 600~700万円(690) | 300万円 | 245万円 |
10級 | 480~570万円(550) | 200万円 | 187万円 |
11級 | 360~430万円(420) | 150万円 | 135万円 |
12級 | 250~300万円(290) | 100万円 | 93万円 |
13級 | 160~190万円(180) | 60万円 | 57万円 |
14級 | 90~120万円(110) | 40万円 | 32万円 |