刑事法上、「少年」とは、満20歳に満たない者を意味し、家庭裁判所の審判に付される少年は、(1)犯罪少年(満14歳以上で罪を犯した少年)、(2)触法少年(満14歳未満で(1)に該当する行為を行った少年のことで、刑事責任を問わない)、(3)ぐ犯少年(保護者の正当な監督に服しない性癖があるなど、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがあると認められる少年)に区別されます。
家庭裁判所は、犯罪少年のうち、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、検察官送致決定をします。
また、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件で、罪を犯したとき満16歳以上の少年については、原則として検察官に送致しなければなりません。家庭裁判所から検察官に事件が送致されることを、一般に逆送(ぎゃくそう)といいます。家庭裁判所から事件送致を受けた検察官は、起訴しなければならないとされています。
その他の犯罪少年、触法少年、ぐ犯少年については、知事・児童相談所長送致(18歳未満の事件に限る)、保護処分(保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致)の処分を受ける場合があります。
少年審判において、家庭裁判所が検察官を関与させる旨の決定をした場合で、少年に弁護士である付添人がないときは、家庭裁判所は、国選付添人を付さなければならないことになっています。しかし、最も重要なのは、少年の将来のことを考え、適切に弁護できる付添人を付けることです。信頼のおける弁護士に依頼することをお勧めします。